「旻秋桜」の旻さんより15万打のお祝いSSを頂いちゃいました・・!!土銀!!土銀!!
そして旻さんのSSに恐縮ながらあたいが絵を付けさせて頂きました・・・(小声)
読み手の感性を十二分に研ぎ澄まさせてくれる、旻さんのSSにはそんな力があります。才能ってすげえ・・・
ぶっちゃけ絵いらねえ!?すいません。でも意地でもコラボります(真剣)
旻さん本当に有り難う御座いました!!
びいどろ
びいどろ【ビードロ】
江戸時代、ガラス・ガラス製品の称。玻璃。〈vidro ポルトガル〉
からり。
ころり。
陽光が斜角から滑り込み、鳴き声を上げる。
七色入り混じり無色な光線が透明な影を伸ばして鳴かせる。
からり。
ころり。
緋帯が紅玉を縛りつけ、蒼膜が藍核に絡みつき、黄濁が砂金を纏う。
球体が視覚において美と呼ばせるだけの遠吠えを上げる。
「きれいなもんだな」
「そうですかい」
「ああ。大したもんだ」
視覚的温度に関わらず、その玩具は何処までも全て冷色で触れる。
爪の先から二の腕まで這い登ってくる無関心なまでの冷触。
「そのように気の無い口調で言われましても」
「ふん」
「まぁ気難しい方だと聞き及んでおります故、どちらが真か判ずれませぬ」
からり。
ころり。
火傷と水脹れが皺に埋まって不細工な土気色。そこから朱熱の塊が零れ落ちては、沈む水同様透明に、だが土気色の男の加える意匠に応えて顔色を変えていく。
「まさかこのような所に副長自らお出ましになるとは思いませんで――お忙しいんじゃあ御座いませんか」
「暇な奴が駆り出される。休暇が少し遅れただけだ」
「では何か御予定が」
「別に刻限定めた覚えはねェ」
「では今しばらくお待ち頂けますか」
「……構やしねェが」
暗褐色の窯が顎を開いて朱炎を吐く。粘性に富んだ雫を飲み込む寸前でお預けを喰らわされては、差し出し、しかし決して与えぬ男を喰らわんと益々猛り色を無くしていく。
揺るぐこと無き男の影。灰色の石床と絢爛たる玩具に距離を置いて臨んでも、その業火は目に熱い。指に絡まる冷触が相殺するが故に、漆黒を纏う彼は表情を消して佇んでいる。
逃亡、攻撃、自害、そのどの絶望にも男が囚われていないのをその朱炎に見る。
「何を作ってる」
「夢みたいなもんで御座いますよ」
「職人としてのか」
「取り憑かれた奴の意地ですかな」
「何に」
「相反するもの、とでも申しましょうか」
朱玉の落ちる先々で、急激に奪われていく熱気と彩度。強度な脆弱が確立する中で矛盾が欲を産む。
凝闇が積まれていく。
からり。
ころり。
「ああ、まだ弱い」
鳴けないはずの暗闇が陽光を通して鳴く。
「赤いも青いも黄いも緑もやって参りました。淡いも濃いも重いも軽いもやって参りました。朱金を混ぜ込み白銀を織り込み青銅を溶かして黒鉄も挿した。それでもどうしても作りたいものがまだ在ったらしいのですよ」
指先ほどの麗玉に花鳥風月。散れず飛び立てず吹けず沈めず。それでも鳴く。
からり。
ころり。
それに映るは漆黒の瞳。
「貴方の所為でしょうな」
「何故俺だ」
「貴方と、貴方に相反する者」
「……何のことだ」
男が熱の篭もった嘆息で瀟洒な扉を開く。
取り出だしたる無色透明は妖艶さの欠片も無く愛嬌の気配も無く、唯精密なまでの屈折率と透明度で以って掌の醜態を縮めては引き伸ばしていた。
紛れも無く人工精度の凹凸。清流に敗北を舐めさせる精錬と、碁石に等しく無意味な多数の駒。ひとつひとつが個人であり、些細な差異が目的を分ける。
「……それが」
「左様で」
おもむろにそれらの半数を灼熱に投じる。
暗褐色の窯が朱絡で以って原型を留めぬまでに熔解せんと舌なめずりをする。
漆黒が陽光から離れ火炎に足を踏み出した。熱気が黒髪を撫でる。
「何してやがる」
「もう必要ないんですからね」
「それは俺達が決めることだ」
「人殺しに使うには勿体無い材質と割合なもので」
「その為に作ったくせに何言ってやがる。その為の精度だろうが。それを狂いの夢なんぞに転じるか」
「信念も狂気も同じこと。その下に使わねば死も夢も無意味でありましょうや」
ざらりと砂粒が溶け込み、くるりと朱玉が回る。
業火の舌が唾液を滴らせては眼球に痛い色彩を生む。
からり。
ころり。
灼熱も炎光も消え失せる。
そうしてようやく鳴く。
からり。
ころり。
矛盾が産まれる。
「ああ」
暗い昏い漆黒が澱むともいえぬ重量で渦を巻く。回転がかった闇極が浮遊し、玄い触手を伸ばす。
そこに針水晶かくや貫いては消える銀糸。球面に散る銀光の断面が降星となり核を目指して擦り抜ける。
纏わりついては貫かれる夜。
刺し殺しては抱かれる銀。
光を通さぬ筈の両極はしかし吸収し反射し不透明な影の中に光源の姿を映し出していた。
「出来た」
「…………」
「針石英の原理で、銀と黒漆を加工して溶かし込むんですよ。この放射状の製法を見つけるのに苦労しまして」
からり。
ころり。
光源が当たらない。陽光を背負う漆黒の影の中、それでも鳴く。
漆黒の瞳が逃避して宙を泳いだ。
土気色の掌に残った半数の無色透明。
それらは鳴かない。
「出来たならもういいだろう。残っているそれを渡せ」
「急いておられるのですか」
「所詮人殺しの道具はそれまでだ。それとお前の技術があれば、どれだけ命中率が上がるか知らず作っていた訳はねェだろう」
「刻限は定めておられないと」
「お前は攘夷加担の罪で斬首か、よくて投獄だ。その技術を幕府の為に使う気が無いのも今判った。ならばそれを元に他の者に作らせるだけだ」
「御逢いになる方がいらっしゃるんで」
きらり。
漆黒の彼が光を抜く。
無音にしてそれもまた、鳴く。
「斬ると仰るか」
「それを渡せ」
「何を憤ってらっしゃる」
「てめぇの作るモンが気に食わねェだけだ」
「ならば何故欲しがるのです」
「それじゃねェよ」
「どうせ店ごと消えるのでしょうから、好きなの持っていって下さって構いませんのに残念」
「餓鬼の玩具の話はしてねェ」
「細工物も御座いますよ。若い女子は華やかなのがお好きでしょうや。いい人にでも」
「興味もねェよ」
「誰がです」
「…………」
「貴方のいい人も其方より此方の方がよろしいと」
闇黒に光銀。それは鳴く。
刃が照らす透明な影。
土気色の手元で雫に塗れた黒銀の、打ち合う数個が澄んだ音を重く立て。
鋼の刃と黒い瞳を引き寄せては、意識を奪って時間を絶つ。
「斬ればよろしかろう」
「死ぬ気なら自害しろ。それくらいの猶予は与えてやる」
「死ぬ気など御座いませんよ。唯どうせ死ぬのなら同じことだと申し上げたまで」
「それが死ぬ気だってんだ」
「貴方は本気で攘夷者を一掃しようなどとは考えておられないのでしょう」
「馬鹿にしてんのか」
「それはこちらの台詞でしょう」
「何が言いたい」
無色に屈折。それは鳴かず。
刃が向ける透明な光。
土気色の掌で拡大縮小を繰り返す、重なり合う数個が耳障りに軋みを軽く吐き。
落ち行く空間を視覚的に捻じ曲げては、灰色の床に砕け散る。
欠片が散る。
跡形も無い屈折率。陽光が一時銀片を弾き暗がりを照らして闇に堕ちる。視線を介して漆黒の瞳に突き刺さる。
きらり。
存在を無くしてようやくの鳴き声に彼は意識の外で目を細めた。
「白夜叉を囲っているくせに吐かせもしない殺しもしないで喰われているとはどういう了見で」
光るだけ光った刀の先を影に差し込んだ。土気色の呼吸器官と土気色の咀嚼器官の濃い地面の色の影に差し込む。切っ先最も光る部分が影に埋まる。
散開した兵器の一部が漆黒の軍歌に踏みつけられ、多角反射の果てに周囲を呼ぶ。
ありとあらゆるその場を占する玩具球体が眼球となり視線を投げかける。
責め苦。凝視。花鳥風月が彼を恨み脅し睨み蔑み哀れみ希う。
からり。
ころり。
鳴いて創造主の救命を。
「喰うのは俺だ」
「どちらでも」
「その狂いの夢はあてつけか」
「ただ視覚の憧憬でありますれば」
黒銀の球体だけは、冷色と言うのも役不足に傍観者を気取る。
からり。
ころり。
相反するが故にひとっかけらの感情も相殺された美奇。矛盾の中で闇が煌き光が沈み無音にして無温が凝り貫き不透明な光が鳴く。
からり。
ころり。
酷似した相反する感情の顕現を。
「細工師は、美しければそれで良いんで御座いますよ。信念も狂気もそこに帰する」
からり。
ころり。
「いいものを見せてもらいました――いいものを造らせていただきました」
陽光が赤い。
火炎が朱い。
煌き散る冷色の玩具が暖色を帯びている。
からり。
ころり。
紅く見えるは空から堕ちていく朱玉のせいか。
生乾きの晴れた闇夜から、冷気が冷めやらぬ空間に入り口を見つけて忍び込む。
沈殿する躰熱と饐えた臭いが一定の厚さを保って充満する。そこに違えた屈折率の空気がのろりと入る。歪む空間が窓を遠退かせ覗く月の視線を混乱させる。
焦点の合わない月影が銀糸の塊に視点を合わせるべく高度を上げた。だが、闇夜より黒衣がそれを拒む。乾いた音と同時に、放置された冷たさが闇夜の温もりと覆われる。
「……熱いんですけど」
「眼が痛ェ。その頭何とかしろ」
「光源絶てば? 窓閉めれば?」
「熱い」
半分は闇に溶け込み半分は月に浮かび輪郭が曖昧に明確にされた漆黒の手元に、星のように朱い光。白い拡散が出口を探して澱んだ部屋を堂々巡る。
銀糸が身をもたげ、白磁の吐息が屈折率の統一を妨げる。ずりおちる黒に紫煙が染み付いている。嘆息で払おうとも同族は寄るのか。
からん。
月影に四角く切り取られた黒畳に開いた白穴。
そこに不透明な光を背負う夜の権化。
「何これ」
「……さあ」
月影を照り返して爪が寄る。結局その闇黒と光銀の冷触には接せず銀糸が倒れ込む。
ころん。
揺れる白穴と高濃度の空気に透明な影は転がる。白蛇の様な視線が間近で照らう。光源は双じて白銀。
「さぁっててめぇの隊服じゃねーか」
「知らねェよ」
ちろりと紅い舌先が白蛇の牙を割って出る。這い寄る白磁と銀影が黒銀の美奇に毒を伸ばす。
「馬鹿が、飴玉じゃねェんだぞ」
「美味そうじゃん」
からり。
紅い肉塊の先端が蛞蝓の歩跡を描いて反射を促す。
ころり。
濡れた軌跡を辿って月の視線が焦点を定める。
裂傷を埋めた肉の如くに黒く盛り上がるその表面にも銀糸の断面が浮かぶ錯覚。屈折する星の距離と時間。
「きれーじゃねェか」
「餓鬼が」
「男はいつまでも少年なんだよ」
「飴玉と間違えて飲み込みゃ赤ん坊だ。世話ァねェな」
月影で輪郭を描く漆黒に白銀が欠けた瞳を向ける。三日月の型に嵌めた視線が嘲笑を抱えて再び床に舞い降りる。
色を失った唇が奈落の底に通じる玄闇を開く。そこからでろりと肉塊が姿を現し、てらりと光る紅い唾液で口内にそれを誘い込む。
がちり。
苦痛を訴える鳴き声がして、それは光の下に濡れた姿を晒す。
ぎちり。
色を失くした唇の、奥から覗く白石の、牙に捕らえてその台座、砕かれる意思すら無きにしも非ず。
闇夜に鎔け消えぬ白銀が夜を咥えてゆらりと。
「馬鹿が」
牙が剥かれる。
漆黒の闇が白銀の光に喰らいつく。
急激に狭められた距離感を調整出来るほどの凹凸は無い。人工でありながらそれは天然物。沈殿した温度が歪む屈折率。白散する呼気が外気を呼んで視界を固定する。
指定された焦点に在るは無色の唇。白磁の喉。その奥に消えた瞬間が視線の先にある、夜の権化。
ころり。
鳴き声を吸い取る。
絡む弾力と流れ込むぬめりが含まない異彩を呼ぶ。
からり。
冷色のその気配。
白牙を辿る熱塊が異色な温度を探り当てる。
手が届いた刹那、攻撃性を随伴しそれは牙に撃ち中った。
からころり。
粘液に塗れて糸を引きながら夜の奥底を月影に堕ちていく。
球体を闇が澱み銀糸が貫き散る星の夜が涙を流す。
「別に喉に詰まらせる気は無かったんだけど」
「阿呆かテメェは。本当に含む奴が何処にいる」
「いやまぁ何となく食ってみたくて」
「これの何処が食い物だ」
「宇宙を外から見たらこんな感じかなー、みたいな」
国を飛び出し星を飛び出し空虚な宇宙へ誰もがたゆたう時世。昼間の青空も日暮れの夕焼けも明け方の朝焼けもただ大気の悪戯に過ぎず現実の不安定さを誰もが知る。
黒い空間と隙間だらけの星光。呑まれる闇に浮かぶは死というよりも遥かにひたすらな無。
その強固なまでの歪みと澱みと光散る空間を外から食らうと。
「狂いの夢もそこまで言われりゃ本望だろうよ」
掠れ闇夜に消えゆく声音がざらりと黒畳を撫でる。
滴る夜から月夜に鳴く。
からり。
ころり。
「何」
「……俺とお前じゃ宇宙にゃァ程遠いだろうが」
「……あ?」
構成するのは光と闇。無を演出する場を埋めるのは延々と膨らんでいく空間の黒と淡々と伸びていく時間の銀。間近で見つめればそれは藍を負った夜。朱金を帯びた陽光。
一口で食らわれるほど遠目ならばそれは凝った黒でしかなく、銀糸の切断面でしかない。
可視光線の全てを取り込み食らい込む黒。
可視光線の全てを拒絶し反射しきる銀。
一口で食らわれる程度にならば指先の球体で濡れた宇宙に成り得るか。
「何言ってんだ」
「るせーな……」
「なんかあった?」
「……人を気遣うたァ余裕じゃねェかテメェ」
「俺じゃねェだろ。てめぇだろ」
「……ああ?」
「バレねェとでも思ってんの。遠慮してんだか気ィ遣ってんだか知らねェが、ヤんならいつもみたくヤれよ。調子狂うってーの」
白濁の欲に騙るは無残。抱いて犯すが脳髄にあの玩具が打ち当たる。
視界の端に陣取る宇宙の化身。消えては自己も諸共を知っていながら憎悪を抱くのは。
からり。
ころり。
漆黒が風を起こして白銀を引き倒す。光源から冷温から遠ざけんが為に、白穴をその身の影で埋めては遠ざかる窓の夜を塞ぐ。
夜空を泣かせた唾液で以って高湿度の間近なままの肉塊を喰らう。牙を立てれば無色の唇も苦痛に因りて血の気を呼ぶ。
からり。
ころり。
月夜を背負って光源を断てど闇を纏う銀糸は眼を射る。視界を潰すべく更なる黒瞼で漆黒の瞳を覆えど舌先にぬめる甘味が喉を焼く。
宇宙の顕現。
狂いの夢。
からり。
ころり。
びいどろが啼く。
「誘ってんのか――欲求不満か」
「だから言ってんじゃねェか耳大丈夫ですか」
「いい度胸だ」
「今更」
白濁に侵された吐息が沈む夜気の屈折率を乱す。
震えて揺れて回る世界が速度を速めて視点をずらす。
ひとつふたつみっつ、乱反射の果てに月形が光線から乖離し卑小なる星粒と万華鏡を演ずる。自転が怯え続ければその内夜空が落ちてくる。
遠ざかった窓の果てから、しかし漆黒に勝る桎梏は無し。
からりころり。
ころりからり。
びいどろが啼く。
砕かれた無色透明とそれが散る刹那纏った銀刻。足元で巧緻に上げた鳴き声。散っていくのは唯の兵器。殺傷力を上げるだけの小道具。それのみで砕いて切って削って磨いでも殺せるのは命のみ。
目が痛い。
陽光を跳ね返しあの銀糸を彷彿とさせ焦燥とさせたのは唯の幻惑。
目に痛い。
突き刺さる無数の鳴き声が砕けながら終焉を詠う。
狡猾なまでに諧謔の精神がけたたましく哭く。
破壊衝動の裏にある愛玩願望。耽溺する餓鬼の玩具。
光を抱くのは何処だって闇。光を侵すのは何時だって闇。
狂いの夢がどれだけ鳴こうと闇の奥では口すら開かぬ。
暗闇が牙を立て夜空が覆い尽くし暗黒が飲み下し漆黒が犯す。膨張する宇宙の中心は定まらねど埋まる構成物質が相反しつつそれ故に空間を孕む。開眼ならずとも畢竟、それは極まり事。
だが闇を貫くのは何時だって光。闇を殺すのは何処だって光。
からりころり。誘い誘われ。
ころりからり。請い請われ。
びいどろが啼く。
「……きれいなもんだな」
「なに、が」
「うるせェくらいだ」
からり。
ころり。
犯している。穿っている。抱いている。千差万別どんな表句を羅列してもそれは変わらない。
からり。
ころり。
喰らっている。弄んでいる。呑んでいる。血脈の振動、その真上の珠玉を溶解した血が流れ出すまで熟す。
からからり。
ころころり。
びいどろが啼く。
侵した筈の漆黒の中心から銀糸の針に犯されていく。澱み渦巻く闇の球体の核から外膜の切断面まで白銀が貫く。
からりからり。
ころりころり。
びいどろが啼く。
縋り付いておかされていくのは矛盾の真偽を求めた筈の漆黒。
からり。
ころり。
自転の歪みと不安定さが漸次と眩暈を起こして倒れ始める。三方向に配置された鏡は微塵に絢爛を振り撒き、月影を真実ひとつの反射鏡として扱う。
から。
ころ。
びいどろが啼く。
びいどろが啼く。
びいどろが。
「どーしたよ」
銀糸が煌く。
黒曜を射抜く。
呱呱。
呱呱。
互いに縋り付く事を熟知しては朦朧とした闇は熔ける。
呱呱。
呱呱。
知ってしまったが故に呱く。
「何やめてんの」
相反故に宇宙は構成されていく。
指先で。掌で。腕の中で。
矛盾故に美奇は破壊されていく。
この指先で。この掌で。この腕の中で。
「心配すんじゃねーよ」
からり。
ころり。
「俺ァ壊れたりしねェよ」
びいどろが啼く。
了
thanks!!
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